ジャルカ配合錠の添付文書

商品名:
ジャルカ配合錠
一般名:
ドルテグラビル+リルピビリン(DTG/RPV)
略称 :
JLC
ジャルカ配合錠のイラスト

添付文書の読み方

ここで提供している添付文書情報は、2021年8月現在の各医薬品の添付文書を基に作成したものです。書式等については、実際の添付文書と異なるところがあります。添付文書情報は随時更新されます。ご使用の際は、必ず最新の添付文書をご覧下さい。

また、記載されている内容には、専門的な情報が含まれています。文書内の、
この色の文字をクリックすると、別ウィンドウに読み方のアドバイスが表示されます。
この色の文字をクリックすると、別ウィンドウに重大な副作用の解説が表示されます。
この色の文字をクリックすると、別ウィンドウに副作用の症状とその類似語、定義の解説が表示されます。

記載されている情報をご覧になり、疑問などを持たれた場合は、医師・薬剤師にご相談ください。

抗ウイルス化学療法剤
ドルテグラビル+リルピビリン(DTG/RPV)

ロゴ
  • **2021年5月改訂(第4版)
    *2020年11月改訂(第3版)
  • 規制区分:劇薬、処方箋医薬品注)
    注)注意-医師等の処方箋により使用すること
日本標準商品分類番号 87625
貯法 室温保存
有効期間 3年
承認番号 23000AMX00836000
販売開始 2018年12月

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

2.1

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.2

リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く)、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、エソメプラゾールマグネシウム水和物、ボノプラザンフマル酸塩)を投与中の患者[10.1参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

販売名 ジャルカ配合錠
有効成分 1錠中
ドルテグラビルナトリウム52.62mg(ドルテグラビルとして50mg)
リルピビリン塩酸塩27.50mg(リルピビリンとして25mg)
添加剤 D-マンニトール、結晶セルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、乳糖水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポリソルベート20、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄

3.2 製剤の性状

販売名 ジャルカ配合錠
剤形・性状 帯紅白色のフィルムコーティング錠
識別コード SV J3T

(長径×短径)
ジャルカ配合錠のイラスト。「SV J3T」の刻印
約14.3mm×約7.2mm
ジャルカ配合錠 裏面のイラスト
側面
(厚さ)
ジャルカ配合錠 側面のイラスト
約5.7mm
質量 515mg

Page Top

4. 効能又は効果

HIV-1感染症

5. 効能又は効果に関連する注意

5.1

本剤は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前6ヵ月間以上においてウイルス学的抑制(ヒト免疫不全ウイルス[HIV]-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、本剤の有効成分に対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者に使用すること。[17.1.1、17.1.2参照]

5.2

本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

5.3

本剤はドルテグラビル及びリルピビリンの固定用量を含有する配合剤であるので、リルピビリンの用量調節が必要な患者には個別のリルピビリン製剤(エジュラント錠)を用いること。[7.1、7.2参照]

6. 用法及び用量

通常、成人には1回1錠(ドルテグラビルとして50mg及びリルピビリンとして25mg)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1

本剤は、HIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬と併用しないこと。ただし、リルピビリンを追加投与する必要がある場合を除く。[5.3、7.2参照]

7.2

本剤とリファブチンを併用する場合は、リルピビリン製剤を1回25mg1日1回併用すること。なお、リファブチンの併用を中止した場合は、リルピビリン製剤の投与を中止すること。[5.3、7.1、10.2、16.7.2参照]

8. 重要な基本的注意

8.1

本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。

**8.2

本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。

  • 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
  • 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合には、事前に担当医に報告すること。
  • 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
  • 抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
  • 抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
  • 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。

8.3

抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染症(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。

また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。

8.4

肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行う等、観察を十分に行うこと。[9.1.2、11.1.2参照]

**9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

9.1.1 不整脈を起こしやすい患者

低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等の患者では、QT延長により不整脈が発現するおそれがある。リルピビリン75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。[10.2、17.3.1参照]

9.1.2 B型又はC型肝炎ウイルス重複感染患者

肝機能の悪化のおそれがある。

ドルテグラビル及びリルピビリンを併用投与した臨床試験において、C型肝炎ウイルス重複感染患者では、肝機能検査値上昇の発現頻度が非重複感染患者より高かった。

ドルテグラビル単剤の臨床試験において、B型又はC型肝炎ウイルス重複感染患者では、トランスアミナーゼ上昇又は増悪の発現頻度が非重複感染患者より高かった。

また、リルピビリン単剤の臨床試験において、B型又はC型肝炎ウイルス重複感染患者では、肝臓関連有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現頻度が非重複感染患者より高かった。[8.4、11.1.2参照]

**9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

海外の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が、受胎前からドルテグラビル含有製剤を服用していた妊婦から生まれた児3591例中7例(0.19%、95%信頼区間0.09-0.40)に報告されており、ドルテグラビルを含まない抗HIV薬を服用していた妊婦から生まれた児19361例中21例(0.11%、95%信頼区間0.07-0.17)、HIV陰性の妊婦から生まれた児119630例中87例(0.07%、95%信頼区間0.06-0.09)に報告されている1)

ドルテグラビルは動物試験(ラット)で胎盤移行が認められている2)

妊娠中期及び妊娠後期の妊婦にリルピビリンを投与した時、出産後と比較し、リルピビリンの血中濃度低下が認められている。[16.6.3参照]

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。一般に乳児へのHIV感染を防ぐため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳をすべきでない。

ドルテグラビル及びリルピビリンはヒトの乳汁中に移行するか否かは不明である。ドルテグラビル2)及びリルピビリンのいずれも動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能(肝機能、腎機能、心機能等)が低下しており、合併症を有している又は他の薬剤を併用している場合が多い。

10. 相互作用

ドルテグラビルは主にUGT1A1で代謝され、一部CYP3A4でも代謝される。また、ドルテグラビルは有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する。リルピビリンは主にCYP3Aにより代謝される。[16.4.1、16.4.2、16.7.1参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リファンピシン
 アプテシン
 リファジン
 [2.2、16.7.2参照]
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 これらの薬剤のCYP3A4及びUGT1A1誘導作用により、ドルテグラビルの代謝が促進される。また、CYP3A4誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
カルバマゼピン
 テグレトール
フェニトイン
 アレビアチン等
ホスフェニトインナトリウム水和物
 ホストイン
フェノバルビタール
 フェノバール等
 [2.2、16.7.2参照]
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(St. John’ s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く)
 デカドロン等
 [2.2参照]
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 デキサメタゾンのCYP3A誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール
 オメプラール
 オメプラゾン
ランソプラゾール
 タケプロン
ラベプラゾールナトリウム
 パリエット
エソメプラゾールマグネシウム水和物
 ネキシウム
ボノプラザンフマル酸塩
 タケキャブ
 [2.2、16.7.2参照]
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 胃内のpH上昇により、リルピビリンの吸収が低下する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ピルシカイニド塩酸塩水和物 ピルシカイニドの血中濃度を増加させる可能性がある。併用により、ピルシカイニドで重大な副作用として報告されている心室頻拍、洞停止及び心室細動等の発現及び重篤化があらわれるおそれがある。 ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある。
制酸剤、多価カチオン含有製剤
 乾燥水酸化アルミニウムゲル
 沈降炭酸カルシウム等
 [16.7.2参照]
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。本剤は制酸剤、多価カチオン含有製剤投与の4時間以上前又は6時間以上後に投与すること。 胃内のpH上昇により、リルピビリンの吸収が低下する。錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。
鉄剤、カルシウム含有製剤(サプリメント等)
[16.7.2参照]
ドルテグラビルの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。食事と同時に摂取する場合を除き、本剤は鉄剤、カルシウム含有製剤投与の4時間以上前又は6時間以上後の投与が推奨される。 鉄、カルシウムと錯体を形成することにより、ドルテグラビルの吸収が阻害される。
メトホルミン塩酸塩
[16.7.2参照]
ドルテグラビルがメトホルミンの血中濃度を上昇させる。注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること。 ドルテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある。
リファブチン
[7.2、16.7.2参照]
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 リファブチンのCYP3A誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
H2遮断剤
ファモチジン
シメチジン
ニザチジン
ラニチジン塩酸塩
[16.7.2参照]
リルピビリンの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。本剤はH2遮断剤投与の4時間以上前又は12時間以上後に投与すること。 胃内のpH上昇により、リルピビリンの吸収が低下する。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
リルピビリンの血中濃度が上昇する可能性がある。代替としてアジスロマイシン等を考慮すること。 これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
メサドン塩酸塩
[16.7.2参照]
リルピビリンがメサドンの血中濃度を低下させることがある。 機序不明
QT延長を起こすことが知られている薬剤
アミオダロン塩酸塩
ソタロール塩酸塩等
[9.1.1、17.3.1参照]
QT延長、心室性頻拍(Torsades de Pointesを含む)が発現するおそれがある。 リルピビリン75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。
エファビレンツ
エトラビリン
ネビラピン
[16.7.2参照]
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度を低下させる可能性がある。 これらの薬剤のCYP3A4及びUGT1A1誘導作用により、ドルテグラビルの代謝が促進される。また、これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、リルピビリンの代謝が促進される。
ホスアンプレナビル
カルシウム水和物+リトナビル
[16.7.2参照]
ドルテグラビルの血中濃度を低下させる。また、リルピビリンの血中濃度が上昇する可能性がある。 ホスアンプレナビルのCYP3A4及びUGT1A1誘導作用により、ドルテグラビルの代謝が促進される。また、ホスアンプレナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
ダルナビル エタノール付加物+リトナビル
[16.7.2参照]
ダルナビル800mg+リトナビル100mgを1日1回併用した時、リルピビリンのCmax及びAUCがそれぞれ79%及び130%増加した。 ダルナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。
ロピナビル・リトナビル
[16.7.2参照]
ロピナビル400mg・リトナビル100mgを1日2回併用した時、リルピビリンのCmax及びAUCがそれぞれ29%及び52%増加した。 ロピナビル・リトナビルのCYP3A阻害作用により、リルピビリンの代謝が阻害される。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

11.1.1 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

初期症状として発疹、発熱がみられ、さらに肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

11.1.2 肝機能障害(1%未満)、黄疸(頻度不明)

AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.4、9.1.2参照]

11.2 その他の副作用

  2%以上 1~2%未満 1%未満 頻度不明
免疫系       免疫再構築炎症反応症候群
代謝       食欲減退、体脂肪の再分布/蓄積
精神・神経系 頭痛 不眠症、異常な夢、浮動性めまい うつ病、睡眠障害、自殺念慮/自殺企図、抑うつ気分、傾眠、不安  
消化器 下痢 悪心、鼓腸 腹痛、上腹部痛、腹部不快感 嘔吐
肝臓       肝炎
皮膚     発疹、そう痒  
全身症状     疲労  
筋骨格     関節痛 筋肉痛
臨床検査       体重増加

Page Top

13. 過量投与

13.1 処置

ドルテグラビルは血液透析により除去される可能性は低いことが報告されている4),5)。リルピビリンは高い蛋白結合率を有するため、血液透析により除去できる可能性は低い。[16.3.2参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

**16.1.1 単回経口投与

健康成人16例に本剤を食後に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル及びリルピビリンの薬物動態パラメータを表-1に示す67)

表-1 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル及びリルピビリンの薬物動態パラメータ
  Cmax
(μg/mL)
Tmax注1)
(h)
AUC0-inf
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
ドルテグラビル 4.2±0.6 3.0
(1.0~5.0)
93.9±25.1 17.5±2.8
リルピビリン 0.1±0.05 4.5
(3.5~6.0)
4.2±1.1 39.1±12.1

平均値±標準偏差、16例
注1)中央値(範囲)

健康成人113例に本剤を食後に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル及び血漿中リルピビリン濃度推移を図-1及び図-2に、血漿中ドルテグラビル及びリルピビリンの薬物動態パラメータを表-2に示す3)。ドルテグラビルは経口投与により速やかに吸収され、投与後約3時間で最高血漿中濃度に達した。リルピビリンは経口投与後約4時間で最高血漿中濃度に達した(外国人データ)。

図-1 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル濃度推移(平均値+標準偏差、113例)
図-2 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中リルピビリン濃度推移(平均値+標準偏差、113例)
表-2 健康成人に本剤を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル及びリルピビリンの薬物動態パラメータ
  Cmax
(μg/mL)
Tmax注1)
(h)
AUC0-inf
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
ドルテグラビル 3.7±0.6 3.0
(0.5~6.0)
66.9±16.0 14.8±3.1
リルピビリン 0.1±0.03 4.0
(1.0~9.0)
3.5±1.4 55.8±21.8

平均値±標準偏差、113例
注1)中央値(範囲)

健康成人男性6例及び女性4例にドルテグラビル50mgを空腹時に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル濃度推移を図-3に、ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表-3に示す。ドルテグラビルは投与後約3時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は約15時間であった6)

図-3 健康成人にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル濃度推移(平均値+標準偏差、10例)
表-3 健康成人にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
Cmax
(μg/mL)
Tmax注1)
(h)
AUC0-inf
(μg・h/mL)
t1/2
(h)
C24
(μg/mL)
2.37±1.23 3.0(2.0~4.0) 47.7±24.6 14.7±1.56 0.73±0.36

平均値±標準偏差、10例
注1)中央値(範囲)

健康成人にリルピビリン25mgを食後に単回経口投与した時、血漿中リルピビリン濃度は投与後5時間(中央値)に最高血漿中濃度[144.3ng/mL(平均値)]に達し、約43時間(平均値)の消失半減期で消失した。平均AUC0-infは4542ng・h/mLであった(表-4及び図-4)7)

図-4 健康成人にリルピビリン25mgを食後単回経口投与した時の血漿中リルピビリン濃度-時間推移(平均値+標準偏差、8例)
表-4 健康成人にリルピビリン25mgを食後単回経口投与した時の血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL)
Tmax注1)
(h)
AUC0-inf
(ng・h/mL)
t1/2
(h)
144.3±49.66 5.00(2.00~6.00) 4542±2001 43.0±10.9

平均値±標準偏差、8例
注1)中央値(範囲)

16.1.2 反復経口投与

成人HIV感染症患者にドルテグラビル50mgを1日1回投与した時における後期第II相及び第III相試験の母集団薬物動態解析で推定した定常状態におけるドルテグラビルの薬物動態パラメータを表-5に示す(外国人データ)。

表-5 成人HIV感染症患者における定常状態でのドルテグラビルの薬物動態パラメータ
パラメータ ドルテグラビル50mg1日1回
AUC0-24
(μg・h/mL)
53.6
(27)
Cmax
(μg/mL)
3.67
(20)
Ctau
(μg/mL)
1.11
(46)

母集団薬物動態解析に基づく推定値
幾何平均(CV%)

抗HIV薬による治療経験のないHIV-1感染症患者に、リルピビリン25mgを1日1回反復経口投与した第III相試験(C209及びC215試験)の成績を用いた母集団薬物動態解析より得た血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ(96週時におけるベイズ推定値)を表-6に示す(外国人データ)。

表-6 HIV-1感染症患者における血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ推定値
パラメータ 平均値±標準偏差 中央値(範囲)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
2235±851 2096
(198~7307)
C0
(ng/mL)
78±35 73
(2~288)

母集団薬物動態解析に基づく96週時におけるベイズ推定値

**16.1.3 生物学的同等性

健康成人113例に本剤とドルテグラビル(50mg)及びリルピビリン(25mg)を食後に単回経口投与し、単剤併用投与時と配合剤投与時の曝露量を比較した。本剤投与時のAUC0-t及びCmaxは、単剤併用投与時と比較してドルテグラビルではそれぞれ約4%及び約5%増加し、リルピビリンでは約11%及び約12%増加した。本剤投与時とドルテグラビル単剤及びリルピビリン単剤の併用投与時のドルテグラビル及びリルピビリンのAUC0-t及びCmaxは、生物学的同等性の判定基準(平均値の比の90%信頼区間が0.80~1.25の範囲内)を満たした3)(外国人データ)。

16.2 吸収

16.2.1 食事の影響

本剤を食後に投与した時、ドルテグラビル及びリルピビリンの曝露量が増加した。空腹時と比べて中及び高脂肪食では、ドルテグラビルのAUC(0-inf)は約87%、Cmaxは約75%及び約72%増加し、リルピビリンのAUC(0-inf)は約57%及び72%、Cmaxは89%及び117%増加した8)(外国人データ)。

16.3 分布

16.3.1 ドルテグラビル
(1)血漿蛋白結合率

In vitroでの、ドルテグラビルのヒト血漿蛋白結合率は約99.3%であった9)

(2)分布容積

健康成人男性にドルテグラビル20mg(懸濁液)注)を単回経口投与した時の見かけの分布容積は12.5Lであった(外国人データ)。

(3)血球移行性

ヒトでの血液/血漿比(平均値)は0.441~0.535であり、ドルテグラビルの血球移行率は低かった(5%未満)。

(4)非結合型薬物

血漿中ドルテグラビルの遊離分画は健康成人で約0.2~1.1%、中等度の肝機能障害患者で約0.4~0.5%、重度の腎機能障害患者で約0.8~1.0%、HIV感染症患者で0.5%であった(外国人データ)。

(5)脳脊髄液への移行

ドルテグラビルは脳脊髄液中にも分布する。ドルテグラビル50mg及びアバカビル600mg・ラミブジン300mgが併用投与された抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者11例において、ドルテグラビルの脳脊髄液中濃度(中央値)は18ng/mLであり、血漿中濃度の0.11~0.66%であった(外国人データ)。

(6)組織内分布

ドルテグラビルは女性及び男性の生殖器に分布する。

健康成人女性にドルテグラビル50mg/日を5~7日間経口投与した時の子宮頸膣液、子宮頸部組織及び膣組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの6~10%であった(外国人データ)。

また、健康成人男性にドルテグラビル50mg/日を8日間経口投与した時の精液及び直腸組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの7及び17%であった(外国人データ)。

16.3.2 リルピビリン
(1)血漿蛋白結合率

In vitroでの、リルピビリンのヒト血漿蛋白結合率は約99.7%であった。[13.1参照]

(2)結合蛋白

In vitro試験で、リルピビリンは主にアルブミンに結合した(平衡透析法)10)

16.4 代謝

16.4.1 ドルテグラビル
(1)代謝酵素

In vitro試験で、ドルテグラビルは主にUGT1A1で、一部UGT1A3、UGT1A9でグルクロン酸抱合された11)。また、ドルテグラビルはCYP3A4でも一部代謝された12)。[10.参照]

16.4.2 リルピビリン

In vitro試験で、リルピビリンは主にCYP3Aにより代謝された13)。[10.参照]

16.5 排泄

16.5.1 ドルテグラビル

健康成人にドルテグラビル20mg注)を単回経口投与した時の主な排泄経路は糞であり、経口投与量の53%が未変化体として糞中に排泄された。また、尿中には経口投与量の31%が排泄され、その内訳は18.9%がエーテル型グルクロン酸抱合体、3.6%がN-脱アルキル体、3.0%がベンジル位の酸化体であり、未変化体は1%未満であった(外国人データ)。

健康成人に14C-ドルテグラビル20mg(懸濁液)注)を単回経口投与した時の総投与量の約9.7%が酸化的代謝物として尿糞中に回収された(外国人データ)。

16.5.2 リルピビリン

健康成人に14C-リルピビリン(液剤)150mg注)を単回経口投与した時、投与した総放射能の85%(平均値)が糞中、6.1%(平均値)が尿中から回収された。糞中及び尿中の未変化体の割合は、それぞれ投与量の25%(平均値)及び1%未満であった14)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

16.6.1 腎機能障害患者
(1)ドルテグラビル

重度腎機能障害(8例、クレアチニンクリアランス(Ccr):30mL/min未満)を有する患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の結果は表-7のとおりであった17)(外国人データ)。

表-7 健康成人及び重度の腎機能障害患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ 健康成人(8例) 重度腎機能障害患者(8例)
(Ccr:30mL/min未満)
Cmax
(μg/mL)
1.86
(45)
1.50
(34)
AUC0-inf
(μg・h/mL)
37.1
(58)
23.5
(48)
t1/2
(h)
15.4
(15)
12.7
(31)

幾何平均(CV%)

(2)リルピビリン

腎機能障害患者を対象とした試験は実施していないが、リルピビリンの腎排泄は限定的であるため、腎機能障害によりリルピビリンの排泄にほとんど影響を及ぼさないと推察される10),14)(外国人データ)。

16.6.2 肝機能障害患者
(1)ドルテグラビル

中等度肝機能障害(8例、Child-Pugh分類:B)を有する患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の結果は表-8のとおりであった15)(外国人データ)。

表-8 健康成人及び中等度肝機能障害患者にドルテグラビル50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ 健康成人(8例) 中等度肝機能障害患者(8例)
(Child-Pugh分類:B)
Cmax
(μg/mL)
1.80
(49)
1.78
(17)
AUC0-inf
(μg・h/mL)
37.3
(47)
38.5
(30)
C24
(μg/mL)
0.57
(44)
0.59
(36)

幾何平均(CV%)

(2)リルピビリン

軽度肝機能障害(8例、Child-Pugh分類:A)及び中等度肝機能障害(8例、Child-Pugh分類:B)患者にリルピビリン25mgを1日1回反復経口投与した時の結果は表-9のとおりであった16)(外国人データ)。

表-9 健康成人及び肝機能障害患者にリルピビリン25mgを反復経口投与した時の血漿中リルピビリンの薬物動態パラメータ
薬物動態
パラメータ
健康成人(8例) 軽度肝機能障害患者(8例)
(Child-Pugh 分類:A)
最小二乗幾何平均の比
[90%信頼区間]
Cmax
(ng/mL)
144.3
(35.70)
187.0
(66.31)
1.268
[0.9804~1.641]
Tmax
(hr)
5.0
[3.0~12.0]
5.0
[2.0~24.0]
AUC24
(ng・hr/mL)
2152
(538.1)
3206
(1080)
1.467
[1.144~1.881]
t1/2
(hr)
60.59
(20.03)
80.82
(33.17)注1)
薬物動態
パラメータ
健康成人(8例) 中等度肝機能障害患者(8例)
(Child-Pugh 分類:B)
最小二乗幾何平均の比
[90%信頼区間]
Cmax
(ng/mL)
146.8
(30.21)
143.5
(49.69)
0.9496
[0.7514~1.200]
Tmax
(hr)
5.0
[3.0~5.0]
20.0
[2.0~24.0]
AUC24
(ng・hr/mL)
2318
(385.9)
2525
(851.2)
1.052
[0.8379~1.320]
t1/2
(hr)
56.01
(21.31)
90.56
(37.04)注2)

平均値(標準偏差)、Tmax:中央値[範囲]
注1)7例、注2)5例

16.6.3 妊婦、産婦

妊娠中期のHIV-1感染症患者(15例)に、リルピビリン25mgを1日1回投与した時、リルピビリンのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;11例)と比較してそれぞれ21%、29%及び35%減少し、妊娠後期(13例)では、それぞれ20%、31%及び42%減少した(外国人データ)。[9.5参照]

16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
(1)分布に関わるトランスポーター

ドルテグラビルはヒトPgp及びBCRPの基質である18),19)

(2)排泄に関わるトランスポーター

ドルテグラビルはヒトOAT1、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2-Kを介した輸送を阻害した(IC50:それぞれ2.12、1.97、1.93、6.34及び24.8μM)20),21)。[10.参照]

16.7.2 臨床薬物相互作用試験
(1)ドルテグラビル

ドルテグラビルを併用薬と投与した時の薬物動態パラメータの変化を表-10及び表-11に示す(外国人データ)。[7.2、10.1、10.2参照]

表-10 ドルテグラビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬及び用量 ドルテグラビルの用量 例数 ドルテグラビル併用時/非併用時の
併用薬の薬物動態パラメータの
幾何平均の比(90%信頼区間)
Ctau又はC24 AUC Cmax
エチニルエストラジオール
0.035mg22)
50mg
1日2回
15 1.02
(0.93,1.11)
1.03
(0.96,1.11)
0.99
(0.91,1.08)
メサドン
20-150mg23)
50mg
1日2回
11 0.99
(0.91,1.07)
0.98
(0.91,1.06)
1.00
(0.94,1.06)
ミダゾラム
3mg24)
25mg
1日1回
10 0.95
(0.79,1.15)
Norelgestromin
(国内未発売)
0.25mg22)
50mg
1日2回
15 0.93
(0.85,1.03)
0.98
(0.91,1.04)
0.89
(0.82,0.97)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
300mg 1日1回25)
50mg
1日1回
15 1.19
(1.04,1.35)
1.12
(1.01,1.24)
1.09
(0.97,1.23)
メトホルミン
500mg 1日2回26)
50mg
1日1回
14 1.79
(1.65,1.93)
1.66
(1.53,1.81)
メトホルミン
500mg 1日2回26)
50mg
1日2回
14 2.45
(2.25,2.66)
2.11
(1.91,2.33)
ダクラタスビル
60mg 1日1回27)
50mg
1日1回
12 1.06
(0.88,1.29)
0.98
(0.83,1.15)
1.03
(0.84,1.25)
表-11 併用薬がドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響
併用薬及び用量 ドルテグラビルの用量 例数 他剤併用時/非併用時の
ドルテグラビルの薬物動態パラメータの
幾何平均の比(90%信頼区間)
Ctau又はC24 AUC Cmax
アタザナビル
400mg 1日1回28)
30mg
1日1回
12 2.80
(2.52,3.11)
1.91
(1.80,2.03)
1.50
(1.40,1.59)
アタザナビル+リトナビル
300mg+100mg
1日1回28)
30mg
1日1回
12 2.21
(1.97,2.47)
1.62
(1.50,1.74)
1.34
(1.25,1.42)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
300mg 1日1回25)
50mg
1日1回
15 0.92
(0.82,1.04)
1.01
(0.91,1.11)
0.97
(0.87,1.08)
ダルナビル+リトナビル
600mg+100mg
1日2回29)
30mg
1日1回
15 0.62
(0.56,0.69)
0.78
(0.72,0.85)
0.89
(0.83,0.97)
エファビレンツ
600mg 1日1回30)
50mg
1日1回
12 0.25
(0.18,0.34)
0.43
(0.35,0.54)
0.61
(0.51,0.73)
エトラビリン
200mg 1日2回31)
50mg
1日1回
15 0.12
(0.09,0.16)
0.29
(0.26,0.34)
0.48
(0.43,0.54)
エトラビリン+ダルナビル+リトナビル
200mg+600mg+100mg
1日2回32)
50mg
1日1回
9 0.63
(0.52,0.76)
0.75
(0.69,0.81)
0.88
(0.78,1.00)
エトラビリン+ロピナビル・リトナビル
200mg+400mg・100mg
1日2回32)
50mg
1日1回
8 1.28
(1.13,1.45)
1.11
(1.02,1.20)
1.07
(1.02,1.13)
ホスアンプレナビル+リトナビル
700mg+100mg
1日2回33)
50mg
1日1回
12 0.51
(0.41,0.63)
0.65
(0.54,0.78)
0.76
(0.63,0.92)
ロピナビル・リトナビル
400mg・100mg
1日2回29)
30mg
1日1回
15 0.94
(0.85,1.05)
0.97
(0.91,1.04)
1.00
(0.94,1.07)
乾燥水酸化アルミニウムゲル
・水酸化マグネシウム
20mL 単回34)
50mg
単回
16 0.26
(0.21,0.31)
0.26
(0.22,0.32)
0.28
(0.23,0.33)
乾燥水酸化アルミニウムゲル
・水酸化マグネシウム
20mL
投与後2時間
単回34)
50mg
単回
16 0.70
(0.58,0.85)
0.74
(0.62,0.90)
0.82
(0.69,0.98)
総合ビタミン剤
1錠 1日1回34)
50mg
単回
16 0.68
(0.56,0.82)
0.67
(0.55,0.81)
0.65
(0.54,0.77)
炭酸カルシウム
1200mg
単回(空腹時)35)
50mg
単回
12 0.61
(0.47,0.80)
0.61
(0.47,0.80)
0.63
(0.50,0.81)
炭酸カルシウム
1200mg
単回(食後)35)
50mg
単回
11 1.08
(0.81,1.42)
1.09
(0.84,1.43)
1.07
(0.83,1.38)
炭酸カルシウム
1200mg
投与後2時間
単回35)
50mg
単回
11 0.90
(0.68,1.19)
0.94
(0.72,1.23)
1.00
(0.78,1.29)
フマル酸第一鉄
324mg
単回(空腹時)35)
50mg
単回
11 0.44
(0.36,0.54)
0.46
(0.38,0.56)
0.43
(0.35,0.52)
フマル酸第一鉄
324mg
単回(食後)35)
50mg
単回
10 1.00
(0.81,1.23)
0.98
(0.81,1.20)
1.03
(0.84,1.26)
フマル酸第一鉄
324mg
投与後2時間
単回35)
50mg
単回
10 0.92
(0.74,1.13)
0.95
(0.77,1.15)
0.99
(0.81,1.21)
オメプラゾール
40mg 1日1回36)
50mg
単回
12 0.95
(0.75,1.21)
0.97
(0.78,1.20)
0.92
(0.75,1.11)
prednisone
(国内未発売)
60mg 1日1回
(漸減)37)
50mg
1日1回
12 1.17
(1.06,1.28)
1.11
(1.03,1.20)
1.06
(0.99,1.14)
リファンピシン注1)
600mg 1日1回38)
50mg
1日2回注1)
11 0.28
(0.23,0.34)
0.46
(0.38,0.55)
0.57
(0.49,0.65)
リファンピシン注2)
600mg 1日1回38)
50mg
1日2回注2)
11 1.22
(1.01,1.48)
1.33
(1.15,1.53)
1.18
(1.03,1.37)
リファブチン
300mg 1日1回38)
50mg
1日1回
9 0.70
(0.57,0.87)
0.95
(0.82,1.10)
1.16
(0.98,1.37)
Tipranavir
(国内未発売)+リトナビル
500mg+200mg
1日2回39)
50mg
1日1回
14 0.24
(0.21,0.27)
0.41
(0.38,0.44)
0.54
(0.50,0.57)
テラプレビル
750mg 8時間毎40)
50mg
1日1回
15 1.37
(1.29,1.45)
1.25
(1.20,1.31)
1.19
(1.11,1.26)
Boceprevir
(国内未発売)
800mg 8時間毎40)
50mg
1日1回
13 1.08
(0.91,1.28)
1.07
(0.95,1.20)
1.05
(0.96,1.15)
カルバマゼピン
300mg 1日2回41)
50mg
1日1回
14 0.27
(0.24,0.31)
0.51
(0.48,0.55)
0.67
(0.61,0.73)
ダクラタスビル
60mg 1日1回27)
50mg
1日1回
12 1.45
(1.25,1.68)
1.33
(1.11,1.59)
1.29
(1.07,1.57)

注1)ドルテグラビル50mg1日2回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較
注2)ドルテグラビル50mg1日1回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較

(2)リルピビリン

リルピビリンと主な薬剤の併用による薬物動態への影響を表-12及び表-13に示す。[7.2、10.1、10.2参照]

表-12 リルピビリンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬及び用量 リルピビリンの用量 例数 リルピビリン併用時/非併用時の
併用薬の薬物動態パラメータの
幾何平均の比(90%信頼区間)
Cmin AUC Cmax
ジダノシン
400mg
1日1回42)
150mg
1日1回
13-21 1.12
(0.99,1.27)
0.96
(0.80,1.14)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
300mg
1日1回43)
150mg
1日1回
15-16 1.24
(1.10,1.38)
1.23
(1.16,1.31)
1.19
(1.06,1.34)
ダルナビル
800mg
1日1回44)
150mg
1日1回
14-15 0.89
(0.68,1.16)
0.89
(0.81,0.99)
0.90
(0.81,1.00)
ロピナビル
400mg
1日2回45)
150mg
1日1回
15 0.89
(0.73,1.08)
0.99
(0.89,1.10)
0.96
(0.88,1.05)
ラルテグラビル
400mg
1日2回46)
25mg
1日1回
24 1.27
(1.01,1.60)
1.09
(0.81,1.47)
1.10
(0.77,1.58)
リファブチン
300mg
1日1回47)
150mg
1日1回
14-17 1.01
(0.94,1.09)
1.03
(0.97,1.09)
1.03
(0.93,1.14)
リファンピシン
600mg
1日1回48)
150mg
1日1回
15-16 0.99
(0.92,1.07)
1.02
(0.93,1.12)
ケトコナゾール
(経口剤:国内未発売)
400mg
1日1回49)
150mg
1日1回
14-15 0.34
(0.25,0.46)
0.76
(0.70,0.82)
0.85
(0.80,0.90)
オメプラゾール
20mg
1日1回50)
150mg
1日1回
15-16 0.86
(0.76,0.97)
0.86
(0.68,1.09)
アセトアミノフェン
500mg
単回51)
150mg
1日1回
16 0.92
(0.85,0.99)
0.97
(0.86,1.10)
エチニルエストラジオール
0.035mg
1日1回52)
25mg
1日1回
14-17 1.09
(1.03,1.16)
1.14
(1.10,1.19)
1.17
(1.06,1.30)
ノルエチステロン
1mg
1日1回52)
25mg
1日1回
14-17 0.99
(0.90,1.08)
0.89
(0.84,0.94)
0.94
(0.83,1.06)
アトルバスタチン
40mg
1日1回53)
150mg
1日1回
16 0.85
(0.69,1.03)
1.04
(0.97,1.12)
1.35
(1.08,1.68)
クロルゾキサゾン
500mg
単回54)
150mg
1日1回
16 1.03
(0.95,1.13)
0.98
(0.85,1.13)
シルデナフィル
50mg
単回55)
75mg
1日1回
15-16 0.97
(0.87,1.08)
0.93
(0.80,1.08)
R(-)メサドン
メサドン
60~100mg
1日1回56)
25mg
1日1回
12-13 0.78
(0.67,0.91)
0.84
(0.74,0.95)
0.86
(0.78,0.95)
S(+)メサドン
メサドン
60~100mg
1日1回56)
25mg
1日1回
12-13 0.79
(0.67,0.92)
0.84
(0.74,0.96)
0.87
(0.78,0.97)
メトホルミン
850mg
単回57)
25mg
1日1回
20 0.99
(0.94,1.04)
1.02
(0.95,1.10)
テラプレビル
750mg 8時間毎
1日3回58)
25mg
1日1回
16 0.89
(0.67,1.18)
0.95
(0.76,1.18)
0.97
(0.79,1.21)
シメプレビル
150mg
1日1回59)
25mg
1日1回
21 0.96
(0.83,1.11)
1.06
(0.94,1.19)
1.10
(0.97,1.26)
ジゴキシン
0.5mg
単回60)
25mg
1日1回
22 0.98
(0.93,1.04)
1.06
(0.97,1.17)

算出不能:-

表-13 併用薬がリルピビリンの薬物動態に及ぼす影響
併用薬及び用量 リルピビリンの用量 例数 他剤併用時/非併用時のリルピビリンの
薬物動態パラメータの幾何平均の比
(90%信頼区間)
Cmin AUC Cmax
ジダノシン
400mg
1日1回42)
150mg
1日1回
13-21 1.00
(0.92,1.09)
1.00
(0.95,1.06)
1.00
(0.90,1.10)
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩
300mg
1日1回43)
150mg
1日1回
15-16 0.99
(0.83,1.16)
1.01
(0.87,1.18)
0.96
(0.81,1.13)
ダルナビル+リトナビル
800mg+100mg
1日1回44)
150mg
1日1回
14-15 2.78
(2.39,3.24)
2.30
(1.98,2.67)
1.79
(1.56,2.06)
ロピナビル・リトナビル
400mg・100mg
1日2回45)
150mg
1日1回
15 1.74
(1.46,2.08)
1.52
(1.36,1.70)
1.29
(1.18,1.40)
ラルテグラビル
400mg
1日2回46)
25mg
1日1回
24 1.03
(0.96,1.12)
1.12
(1.05,1.19)
1.12
(1.04,1.20)
リファブチン
300mg
1日1回47)
150mg
1日1回
14-17 0.51
(0.48,0.54)
0.54
(0.50,0.58)
0.65
(0.58,0.74)
リファブチン
300mg
1日1回61)
25mg
1日1回
10-18 0.52
(0.46,0.59)
0.58
(0.52,0.65)
0.69
(0.62,0.76)
リファブチン
300mg
1日1回61)
50mg
1日1回
17-18 0.93
(0.85,1.01)注1)
1.16
(1.06,1.26)注1)
1.43
(1.30,1.56)注1)
ファモチジン
投与前12時間
40mg単回62)
150mg
単回
22-24 0.91
(0.78,1.07)
0.99
(0.84,1.16)
ファモチジン
投与前2時間
40mg単回62)
150mg
単回
22-24 0.24
(0.20,0.28)
0.15
(0.12,0.19)
ファモチジン
投与後4時間
40mg単回62)
150mg
単回
22-24 1.13
(1.01,1.27)
1.21
(1.06,1.39)
リファンピシン
600mg
1日1回48)
150mg
1日1回
15-16 0.11
(0.10,0.13)
0.20
(0.18,0.23)
0.31
(0.27,0.36)
ケトコナゾール
(経口剤:国内未発売)
400mg
1日1回49)
150mg
1日1回
14-15 1.76
(1.57,1.97)
1.49
(1.31,1.70)
1.30
(1.13,1.48)
オメプラゾール
20mg
1日1回50)
150mg
1日1回
15-16 0.67
(0.58,0.78)
0.60
(0.51,0.71)
0.60
(0.48,0.73)
アセトアミノフェン
500mg
単回51)
150mg
1日1回
16 1.26
(1.16,1.38)
1.16
(1.10,1.22)
1.09
(1.01,1.18)
アトルバスタチン
40mg
1日1回53)
150mg
1日1回
16 0.90
(0.84,0.96)
0.90
(0.81,0.99)
0.91
(0.79,1.06)
クロルゾキサゾン
500mg
単回54)
150mg
1日1回
16 1.18
(1.09,1.28)
1.25
(1.16,1.35)
1.17
(1.08,1.27)
シルデナフィル
50mg
単回55)
75mg
1日1回
15-16 1.04
(0.98,1.09)
0.98
(0.92,1.05)
0.92
(0.85,0.99)
テラプレビル
750mg 8時間毎
1日3回58)
25mg
1日1回
16 1.93
(1.55,2.41)
1.78
(1.44,2.20)
1.49
(1.20,1.84)
シメプレビル
150mg
1日1回59)
25mg
1日1回
21 1.25
(1.16,1.35)
1.12
(1.05,1.19)
1.04
(0.95,1.13)

未算出:-
注1)リルピビリン25mgを単剤として投与した時との比較
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には1回1錠(ドルテグラビルとして50mg及びリルピビリンとして25mg)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。」である。

Page Top

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

17.1.1 海外第Ⅲ相臨床試験(SWORD-1:201636試験)

抗レトロウイルス療法(NRTI2剤とインテグラーゼ阻害剤[INSTI]、NNRTI又はプロテアーゼ阻害剤のいずれか1剤)によりウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者510例を対象とした非盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgとリルピビリン25mgの1日1回併用投与群(DTG+RPV群)に254例、現行のレジメンを継続する群(継続投与群)に256例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週時のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった被験者の割合は、継続投与群の96%に対して、DTG+RPV群は95%であり、調整した群間差の95%信頼区間の下限値(-4.3%)は、非劣性マージン(-10%)より大きく、継続投与群に対するDTG+RPV群の非劣性が示された(外国人データ)63)

副作用発現頻度は、DTG+RPV群で19%(47/252例)であった。主な副作用は、腹部膨満2%(5/252例)、頭痛2%(5/252例)、疲労2%(5/252例)、下痢2%(4/252例)及び悪心2%(4/252例)であった。

なお、本試験における試験成績の要約を表-1に示した。

表-1 試験成績の要約注1)
  DTG+RPV群252例 継続投与群256例
48週 48週
HIV-1 RNA量50copies/mL未満 240例
(95%)
245例
(96%)
両群間の差(95%信頼区間)注2) -0.6%
(-4.3%,3.0%)
ウイルス学的な治療失敗注3) 2例
(<1%)
2例
(<1%)

注1)Intent-to-treat-exposed population
注2)ベースラインの層別因子により調整
注3)投与48週後にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例、ウイルス学的効果が不十分で中止した症例、HIV-1 RNA量が50copies/mL未満ではなかったが他の理由で中止した症例、抗レトロウイルス療法を変更した症例

17.1.2 海外第III相臨床試験(SWORD-2:201637試験)

抗レトロウイルス療法(NRTI2剤とINSTI、NNRTI又はプロテアーゼ阻害剤のいずれか1剤)によりウイルス学的に抑制されているHIV-1感染症患者518例を対象とした非盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgとリルピビリン25mgの1日1回併用投与群(DTG+RPV群)に262例、現行のレジメンを継続する群(継続投与群)に256例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週時のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった被験者の割合は、継続投与群とDTG+RPV群ともに94%であり、調整した群間差の95%信頼区間の下限値(-3.9%)は、非劣性マージン(-10%)より大きく、継続投与群に対するDTG+RPV群の非劣性が示された64)(外国人データ)。

副作用発現頻度は、DTG+RPV群で19%(50/261例)であった。主な副作用は、頭痛2%(6/261例)、鼓腸2%(5/261例)、下痢2%(4/261例)及び浮動性めまい2%(4/261例)であった。

なお、本試験における試験成績の要約を表-2に示した。

表-2 試験成績の要約注1)
  DTG+RPV群261例 継続投与群255例
48週 48週
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満 246例
(94%)
240例
(94%)
両群間の差(95%信頼区間)注2) 0.2%
(-3.9%,4.2%)
ウイルス学的な治療失敗注3) 1例
(<1%)
4例
(2%)

注1)Intent-to-treat-exposed population
注2)ベースラインの層別因子により調整
注3)投与48週後にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例、ウイルス学的効果が不十分で中止した症例、HIV-1 RNA量が50copies/mL未満ではなかったが他の理由で中止した症例、抗レトロウイルス療法を変更した症例

17.3 その他

17.3.1 QT間隔に対する影響

健康成人60例を対象にリルピビリン25mg(臨床用量)を1日1回反復経口投与し、リルピビリンの定常状態時のQTcF間隔に及ぼす影響を検討した結果、QTcF間隔に対し臨床的に有意な影響は認められなかった(プラセボとの差の最大値:2.2ms)[プラセボ及び陽性対照(moxifloxacin 400mg1日1回)を用いた無作為割付クロスオーバー試験](外国人データ)。

なお、健康成人におけるQT/QTc評価試験において、高用量のリルピビリン(75mg及び300mg)注)を1日1回反復経口投与した時、QTcF間隔のベースラインからの変化量のプラセボとの差の平均値(95%信頼区間の上限)はそれぞれ10.7(15.3)ms及び23.3(28.4)msであった65),66)(外国人データ)。[9.1.1、10.2参照]

注)リルピビリン単剤の承認されている1日用量は25mgであるが、本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には1回1錠(ドルテグラビルとして50mg及びリルピビリンとして25mg)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。」である。

Page Top

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

18.1.1 ドルテグラビル

ドルテグラビルはレトロウイルスの複製に必要な酵素であるHIVインテグラーゼの活性部位と結合し、DNAへの組込みの際のHIV-DNA鎖のトランスファーを阻害することにより、HIVインテグラーゼを阻害する。

18.1.2 リルピビリン

リルピビリンはジアリルピリミジン骨格を有し、HIV-1に作用するNNRTIである。リルピビリンは、HIV-1逆転写酵素(RT)を非競合的に阻害し、ヒトDNAポリメラーゼαβ及びγを阻害しない。

18.2 抗ウイルス作用

18.2.1 ドルテグラビル

HIV-1 BaL株及びHIV-1 NL432株に感染させた末梢血単核球を用いた時のドルテグラビルのウイルス複製に対する50%阻害濃度(IC50)は、それぞれ0.51及び0.53nMであり、HIV-1 IIIB株に感染させたMT-4細胞を用いた時のIC50は2.1nMであった(in vitro)。

13種のHIV-1臨床分離株(サブタイプB)のインテグラーゼコード領域を導入した組換えウイルスに対するドルテグラビルのIC50(平均値)は0.52nMであり、その活性は実験室株に対する抗ウイルス活性と同程度であった。24種のHIV-1臨床分離株[グループM(サブタイプA、B、C、D、E、F、G)及びグループO]並びに3種のHIV-2臨床分離株からなるパネル株を感染させた末梢血単核球を用いた時のドルテグラビルのIC50(幾何平均)はHIV-1株及びHIV-2株でそれぞれ0.20nM(範囲は0.02~2.14nM)及び0.18nM(範囲は0.09~0.61nM)であった(in vitro)。

18.2.2 リルピビリン

T細胞株に急性感染させたHIV-1 IIIB株に対するリルピビリンのウイルス増殖に対するIC50(中央値)は、0.73nMであった(in vitro)。

24種のHIV-1臨床分離株[グループM及びグループO]を感染させた末梢血単核球でのリルピビリンのIC50はそれぞれ0.07~1.01nM、2.88~8.45nMであった(in vitro)。
18.2.3 ドルテグラビル及びリルピビリン

ドルテグラビル及びリルピビリンを併用したin vitro試験において、拮抗作用は認められなかった。

18.3 薬剤耐性

18.3.1 ドルテグラビル

異なる由来の野生型HIV-1株を用いたin vitro耐性獲得試験において、ドルテグラビル耐性株が出現した。これらの耐性株でみられたアミノ酸変異はE92Q、G118R、S153F、S153Y、S153T、G193E及びR263Kであり、FC(各種分離株に対するIC50/野生型HIV-1株に対するIC50)の最大値は4.1であった。

18.3.2 リルピビリン

異なる由来及びサブタイプの野生型又はNNRTI耐性HIV-1株を用いたin vitro耐性獲得試験において、リルピビリン耐性株が出現した。この耐性株で最も高頻度でみられたアミノ酸変異はL100I、K101E、V108I、E138K、V179F、Y181C、H221Y、F227C及びM230Iであった。

これまでに実施されたin vitro及びin vivoでの検討結果から、ベースライン時にK101E、K101P、E138A、E138G、E138K、E138R、E138Q、V179L、Y181C、Y181I、Y181V、Y188L、H221Y、F227C、M230I及びM230Lのアミノ酸変異を有する株は、リルピビリンの抗ウイルス作用に影響を及ぼす可能性があると考えられた。

18.3.3 ドルテグラビル+リルピビリン

海外第III相臨床試験(SWORD-1:201636試験及びSWORD-2:201637試験)において投与48週までにウイルス学的中止基準を満たした症例は全体で4例であった。そのうち、ドルテグラビル+リルピビリン投与群の1例(アドヒアランス不良)でNNRTI耐性変異であるK101K/Eが認められたが、リルピビリンに対する感受性の低下はみられなかった(FC=1.2)。本症例においてINSTI耐性変異は認められなかった。その他の3例では耐性変異は認められなかった。

18.4 交差耐性

18.4.1 ドルテグラビル

部位特異的変異を有する60種のINSTI耐性HIV-1ウイルスパネル株(28種は単一アミノ酸変異、32種は二重又は多重変異)を用いてドルテグラビルの抗ウイルス活性を検討した(in vitro)。単一のINSTI耐性変異(T66K、I151L及びS153Y)を有するウイルスでは、ドルテグラビルに対する感受性が2倍以上(2.3~3.6倍)低下した。複数の変異(T66K/L74M、E92Q/N155H、G140C/Q148R、G140S/Q148H、G140S/Q148R、G140S/Q148K、Q148R/N155H、T97A/G140S/Q148及びE138/G140/Q148)を有するウイルスでは、ドルテグラビルに対する感受性が2倍以上(2.5~21倍)低下した。

705種のラルテグラビル耐性臨床分離株のうち93.9%の株に対するFCは10以下であった(in vitro)。

18.4.2 リルピビリン

リルピビリンは、逆転写酵素にK103N及びY181C等のNNRTI耐性変異を1個導入した67株のうち64株(96%)に抗ウイルス活性を示した。リルピビリンへの感受性の低下をもたらした単一のアミノ酸変異はK101P、Y181I及びY181Vであった。K103のアミノ酸変異は、単一ではリルピビリンに対する感受性を低下させなかったが、K103N及びL100Iの二重変異では、リルピビリンに対する感受性が7倍低下した。

エファビレンツ及びネビラピンのどちらか一方又は両方に耐性を示す4786株のHIV-1組換え型臨床分離株のうち62%の株は、リルピビリンに対して感受性を維持していた(FC≦BCO)。

Page Top

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称 ドルテグラビルナトリウム(Dolutegravir Sodium)
化学名 Monosodium(4R,12aS)-9-{[(2,4-difluorophenyl)methyl]carbamoyl}-4-methyl-6,8-dioxo-3,4,6,8,12,12ahexahydro-2H-pyrido[1',2':4,5]pyrazino[2,1-b][1,3]oxazin-7-olate
分子式 C20H18F2N3NaO5
分子量 441.36
化学構造式 ドルテグラビルの構造式
性状 白色~淡黄白色の粉末。水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
融点 1型結晶は約350℃で溶融と同時に分解する。
分配係数(logP) 2.16±0.01(23℃)
一般的名称 リルピビリン塩酸塩(Rilpivirine Hydrochloride)
化学名 4-{[4-({4-[(1E)-2-Cyanoethenyl]-2,6-dimethylphenyl}amino)pyrimidin-2-yl]amino}benzonitrile monohydrochloride
分子式 C22H18N6・HCl
分子量 402.88
化学構造式 リルピビリンの構造式
性状 白色の粉末。メタノールに溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点 約250℃で溶融と同時に分解する。
分配係数(logP) 4.86(1-オクタノール/pH 7.0リン酸緩衝液)(21℃)

20. 取扱い上の注意

湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓すること。

**21. 承認条件

21.1

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

21.2

本剤の使用に当たっては、患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること等を十分に説明し、インフォームドコンセントを得るよう、医師に要請すること。

21.3

海外において現在実施中又は計画中の臨床試験については、終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。

21.4

再審査期間が終了するまでの間、原則として国内の全投与症例を対象とした製造販売後調査を実施し、本剤の使用実態に関する情報(患者背景、有効性・安全性(他剤併用時の有効性・安全性を含む)及び薬物相互作用のデータ等)を収集して定期的に報告するとともに、調査の結果を再審査申請時に提出すること。

22. 包装

30錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]

23. 主要文献

  1. **Zash R, et al.:23rd International AIDS Conference(Virtual). 2020;Abstract OAXLB0102
  2. 社内資料:分布に関する試験(2012N137348)
  3. 社内資料:第Ⅰ相試験(201676)
  4. Moltó J, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2016;60(4):2564-2566
  5. Bollen P, et al.:AIDS. 2016;30:1490-1491
  6. 社内資料:第Ⅰ相試験(ING115381)
  7. 社内資料:リルピビリンの薬物動態の検討(TMC278-IFD4005)
  8. 社内資料:第Ⅰ相試験(201674)
  9. 社内資料:分布に関する試験(2011N119355)
  10. 社内資料:リルピビリンの蛋白結合に関する検討(TMC278-NC112)
  11. 社内資料:代謝に関する試験(RD2008/01339)
  12. 社内資料:代謝に関する試験(RD2008/00373)
  13. 社内資料:リルピビリンの代謝に関する検討(TMC278-NC141)
  14. 社内資料:リルピビリンの薬物動態の検討(TMC278-C119)
  15. 社内資料:第Ⅰ相試験(ING113097)
  16. 社内資料:リルピビリンの薬物動態の検討(TMC278-C130)
  17. Weller S, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2014;70(1):29-35
  18. 社内資料:分布に関する試験(RD2008/00361)
  19. 社内資料:分布に関する試験(2011N112380)
  20. 社内資料:排泄に関する試験(2010N104937)
  21. 社内資料:排泄に関する試験(2013N161621)
  22. 社内資料:海外臨床試験(ING111855)
  23. 社内資料:海外臨床試験(ING115698)
  24. 社内資料:海外臨床試験(ING111322)
  25. 社内資料:海外臨床試験(ING111604)
  26. 社内資料:海外臨床試験(201167)
  27. Ross LL, et al.:BMC Infect Dis. 2016;16:347
  28. 社内資料:海外臨床試験(ING111854)
  29. 社内資料:海外臨床試験(ING111405)
  30. 社内資料:海外臨床試験(ING114005)
  31. 社内資料:海外臨床試験(ING111603)
  32. 社内資料:海外臨床試験(ING112934)
  33. 社内資料:海外臨床試験(ING113068)
  34. 社内資料:海外臨床試験(ING111602)
  35. 社内資料:海外臨床試験(ING116898)
  36. 社内資料:海外臨床試験(ING112941)
  37. 社内資料:海外臨床試験(ING115696)
  38. 社内資料:海外臨床試験(ING113099)
  39. 社内資料:海外臨床試験(ING113096)
  40. 社内資料:海外臨床試験(ING115697)
  41. Song I, et al. : Eur J Clin Pharmacol. 2016;72:665-670
  42. 社内資料:ジダノシンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C106)
  43. 社内資料:テノホビルとリルピビリンの相互作用(TMC278-C104)
  44. 社内資料:ダルナビル/リトナビルとリルピビリンの相互作用(TMC278-C112)
  45. 社内資料:ロピナビル/リトナビルとリルピビリンの相互作用(TMC278-C105)
  46. 社内資料:ラルテグラビルとリルピビリンの相互作用(TMC278-C153)
  47. 社内資料:リファブチンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C125)
  48. 社内資料:リファンピシンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C108)
  49. 社内資料:ケトコナゾールとリルピビリンの相互作用(TMC278-C127)
  50. 社内資料:オメプラゾールとリルピビリンの相互作用(TMC278-C114)
  51. 社内資料:アセトアミノフェンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C109)
  52. 社内資料:エチニルエストラジオール/ノルエチステロンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C136)
  53. 社内資料:アトルバスタチンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C116)
  54. 社内資料:クロルゾキサゾンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C139)
  55. 社内資料:シルデナフィルとリルピビリンの相互作用(TMC278-C123)
  56. 社内資料:メサドンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C121)
  57. 社内資料:メトホルミンとリルピビリンの相互作用(TMC278IFD1004)
  58. Kakuda T, et al.:J Clin Pharmacol. 2014;54(5):563-573
  59. 社内資料:シメプレビルとリルピビリンの相互作用(TMC435-C114)
  60. 社内資料:ジゴキシンとリルピビリンの相互作用(TMC278IFD1001)
  61. 社内資料:リファブチンとリルピビリンの相互作用(TMC278IFD1003)
  62. 社内資料:ファモチジンとリルピビリンの相互作用(TMC278-C140)
  63. 社内資料:海外臨床試験(201636)
  64. 社内資料:海外臨床試験(201637)
  65. 社内資料:リルピビリンのQT間隔に対する作用(TMC278-C152)
  66. 社内資料:リルピビリンのQT間隔に対する作用(TMC278-C131)
  67. **社内資料:第I相試験(212312)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

グラクソ・スミスクライン株式会社
〒107-0052 東京都港区赤坂1-8-1
ヴィーブヘルスケア・カスタマー・サービス
TEL:0120-066-525(9:00~17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)
FAX:0120-128-525(24時間受付)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ヴィーブヘルスケア株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
https://glaxosmithkline.co.jp/viiv/index.html

26.2 販売元

グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
https://jp.gsk.com/jp/

PAGE TOP