ACTG5202臨床試験
INDEX
ACTG5202臨床試験のデザイン(ABC/3TC群とTDF/FTC群のランダム化比較試験)
(注)以下の内容は、NEJM2009;361:2230-2240による。
スクリーニング時のHIV-RNAが100,000 c/ml以上の患者
主要評価項目:ウイルス学的失敗までの期間
ウイルス学的失敗の定義(1, 2のいずれかの場合)
- 治療開始16週~23週時点で、HIV-RNA量が1,000 c/ml以上
- 治療開始24週以降で、HIV-RNA量が200 c/ml以上
主要評価項目の結果
ウイルス学的失敗は、ABC/3TC群で57例、TDF/FTC群では26例に生じた。
ウイルス学的失敗までの期間はABC/3TC群で有意に短かった。
ハザード比は2.33、95%信頼区間は1.46-3.72。p<0.001。
有害事象(Grade 3-4)
ABC/3TC群(n=397) | TDF/FTC群(n=397) | |
---|---|---|
何らかの臨床検査値異常 または自覚症状(%) |
130例(33%) | 78例(20%) |
代謝関連の異常値 | 41例(10%) | 11例(3%) |
中性脂肪 | 15例 | 3例 p=0.001※ |
Total-C | 20例 | 2例 p<0.001※ |
LDL-C | 13例 | 4例 |
AST | 7例 | 5例 |
ALT | 12例 | 4例 |
下痢または軟便 | 7例 | 7例 |
悪心または嘔吐 | 3例 | 3例 |
全身の症状(%) | 58例(15%) | 38例(10%) |
痛みまたは不快感 | 24例 | 14例 |
発疹 | 8例 | 8例 |
かゆみ | 9例 | 2例 |
発熱 | 10例 | 8例 |
疲労、倦怠感 | 6例 | 10例 |
頭痛 | 8例 | 6例 |
※変化量の中央値を比較した場合のp値
サマリー
スクリーニング時のHIV-RNA量が100,000コピー/ml以上の患者を対象とした、ABC/3TC+[EFV or ATV/r]群とTDF/FTC+[EFV or ATV/r]群とのランダム化比較試験においては、ABC/3TC群の方が、ウイルス学的失敗に至るまでの期間が有意に短かった。